Nociplastic pain の日本語訳について

Nociplastic pain の日本語訳について

関係各位

 

 広く痛みに関する医療者・研究者の交流をはかるとともに厚生労働省など国の機関やヘルスサイエンス企業との窓口としての役割,広報活動や各学会の交流の促進役、また国際的な機関、組織との連携協力の役割を持った学会連合の必要性が高まっておりました。そこで、痛みまたは痛みを伴う疾患や病態の分析・解明およびその治療に関する研究を行う8学会(日本疼痛学会、日本運動器疼痛学会、日本口腔顔面痛学会、日本頭痛学会、日本ペインクリニック学会、日本ペインリハビリテーション学会、日本慢性疼痛学会、日本腰痛学会)ではこのたび各参加学会の理事会の承認を受けた形で正式に運営規約を制定し“日本痛み関連学会連合”が発足致しました。

 本連合としての最初の活動として、今年春に各学会からの委員に加えて有識者、オブザーバーを加えて日本痛み関連学会連合用語委員会を設立しました。諮問しました最初の課題は、国際疼痛学会(International Association for Study of Pain, 以下IASP)が,「痛みの機構的記述に関する第三の分類the third mechanistic descriptor of pain」として2016年に提唱し,その後,公的に表明した “nociplastic pain” という語の日本語訳であります。数ヶ月の大変熱心な議論を経て、連合の評議員会へ答申がありましたのが 「痛覚変調性疼痛」であります。評議員会ではこの結論を承認し、今後は各学会でその使用を推進していくことになっております。加藤総夫委員長よりの答申案にはその議論の過程などの記載がございます。関係者の皆様には本活動に対するご理解、ご賛同をいただき、本訳語の使用推進に向け、よろしくお願い申し上げます。

 

2021年9月吉日

 

野口光一

日本痛み関連学会連合代表

日本疼痛学会理事長

 

Nociplastic painの日本語訳に関する 用語委員会 提案 【要約版】(PDF)